「君の柔らかい感じが好き」と言ってくれた彼

other彼と出会ったのは8年くらい前の事です。以前勤めていた会社に業務用の給水サーバーが置かれていて、一週間に一度タンクの交換に来ていたのが彼でした。彼とは挨拶を交わす程度でしたが、最初から私は彼に好感を持っていました。

当時家庭用の宅配サービスはまだ定着しておらず、彼の会社ではそのサービスを始めたばかりでした。チラシをもらった時に、契約者数が伸び悩んでいると聞いて何だかかわいそうに思った私は、主人に相談して半年だけ契約することにしました。私は結婚していて2人暮らしで、サーバーなんて特に必要ないかなとも思ったんですが、「試しに使ってみてもいいかな」位の気持ちで契約したんです。

その会社は契約を交わした社員が宅配も担当することになるらしく、当然彼がやって来ました。初めて我が家に来た彼は何だかとても居心地が悪そうで、サーバーを置いたらさっさと帰ってしまったんです。いつもの愛想も無く、世間話もしなかった彼になんだか違和感を覚えたんです。

後日会社で顔を合わせた時は、いつもの彼でした。だから、その時の違和感はすぐに忘れてしまっていたんです。でも、その理由が分かったのは2回目の配達が行われた時でした。2回目に配達してくれたのは、違う人でした。配達の時間帯を伝える関係上、彼の携帯電話の番号は知っていました。違う人が来るとは聞いていなかったし、何だか気になってすぐに電話してみたんです。そしたら、意外な事を言われました。『後日、どこかお食事にでも行きませんか』と。

彼と付き合い始めたのはそれからです。初めて来た時の違和感は『私と夫が一緒に写っている写真を見てショックだったから』と話してくれました。年齢は同じでしたがとても可愛いなと思いました。だから、彼が嫌な思いをなるべくしない様に、逢う時はいつも平日のホテルでした。彼は未婚で実家住まいだったので、ただおしゃべりするだけでもホテルに集合だったんです(笑)

一度悪戯心が働いて、あなたにとって私はどんな存在かと敢えて聞いた事が有るんです。そしたら、彼はこう応えました。『彼女(仮)・・・かな』。

そんなカワイイ彼と別れたのは、私の妊娠がきっかけでした。もちろん夫の子です。最後、おでこにチュッとして去って行った彼の寂しげな顔は、いまだに忘れる事が出来ません。